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医師会病院との共同研究に関するお知らせ

お知らせ
岡元薬局では緩和医療における実情を医師会病院内藤明美先生と共同研究を実施しております。

 

臨床研究に関するお知らせ

 

 宮崎市郡医師会病院緩和ケア科では、下記の臨床研究を実施しています。皆様には本研究の趣旨をご理解いただき、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

研究課題名:在宅緩和ケアにおける、医療用麻薬の持続皮下注射の有用性に関する観察研究

 

1.研究の概要

  進行がん患者さんの中には、痛みや息苦しさなどの苦痛が強くなる方がいらっしゃることが知られています。がんの痛みの緩和には、医療用麻薬が使用されることが多いですが、病状が進行して飲み薬を飲むことが難しくなった方には、飲み薬以外で医療用麻薬を使用することが必要になります。病院ではこのような場合、医療用麻薬の点滴投与を行うことがありますが、病状が進行した患者さんの中には、点滴をする血管を確保できない方や、24時間点滴がつながることを負担に感じられる患者さんがおられます。このようなときに、持続皮下注射という方法で医療用麻薬を投与する方法があり、緩和ケア病棟では一般的に広く行われています。

 一方、多くの日本人が人生の最終段階の療養の場所として自宅を希望していることが知られていますが、痛みなどのつらい症状がある患者さんの場合、自宅でも病院と同じように痛みを緩和することができなければ自宅で過ごすことは難しくなります。病状が進行して、飲み薬を飲むことが難しくなっても、飲み薬以外の方法で痛みを緩和することができる環境が必要です。

現在、宮崎市内で医療用麻薬の持続皮下注に対応できる診療所、薬局は限定されており、いつでも、どこでも利用が可能な状況とは言えません。自宅でも医療用麻薬の持続皮下注が広く使用可能となれば、患者さんにとっては療養の場所の選択肢が増え、自宅での最期を希望する方の希望を叶えることに役立つと考えられます。

このため、在宅療養中のがん患者さんの症状緩和に、自宅で医療用麻薬の持続皮下注を実施した症例を集積し、その有用性を明らかにすることは、持続皮下注射の普及の促進につながるのではないか考え、本研究を計画しました。

 

【実施責任者】

宮崎市郡医師会病院緩和ケア科  内藤 明美

【共同研究者】

    岡元薬局 岡元 俊雄

 

2.目的

 本研究は、在宅療養中のがん患者における、医療用麻薬の持続皮下注の有用性を明らかにし、在宅緩和ケアにおける持続皮下注の普及を目的として実施されるものです。在宅療養中のがん患者の症状緩和目的で医療用麻薬の持続皮下注を使用した症例を集積し、症状緩和の程度、症状緩和が困難で入院を要した事例、緊急の対応が必要であったトラブル等の実態を明らかにします。

 

3.研究実施予定期間

この研究は、研究機関の長の許可後から202612月まで行われます。

 

4.対象者

 2022年3月から2024年3月に岡元薬局において訪問薬剤管理・指導を行ったがん患者さんのうち、医療用麻薬の持続皮下注射を行った患者さんを対象とします。

 

5.方法

 対象となる方のカルテ情報から、医療用麻薬の持続皮下注射を開始した理由、良好な症状緩和が得られたか、どのくらいの量の鎮痛薬を投与したか、持続皮下注射を実施した期間、持続皮下注射実施中に発生した皮下注やポンプに関するトラブルの有無、持続皮下注が終了となった理由(自宅で永眠、症状緩和が得られず入院を必要とした、症状緩和が得られ、内服や貼付薬に変更したなど)を調査します。

 

6.費用負担

 この研究を行うにあたり、対象となる方が新たに費用を負担することは一切ありません。

 

7.利益および不利益

 この研究にご参加いただいた場合の利益・不利益はありません。参加を拒否された場合でも同様です。

 

8.個人情報の保護

 研究にあたっては、対象となる方の個人情報を容易に特定できないように、数字や記号などに置き換えて使用いたします。

 

9.研究に関する情報開示について

 ご希望があれば、研究計画および研究方法についての資料を閲覧することができます。ご希望がある場合は、下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。ただし、研究の独創性確保に支障のない範囲内で情報開示を行います。

 

10.研究資金および利益相反について

この研究に関する経費は、実施責任者が所属する診療科の研究費で賄われます。なお、本研究の研究担当者は、本研究に関連する企業および団体等からの経済的な利益の提供は受けていないため、申告すべき利益相反1はありません。

 

注1)臨床研究における利益相反とは、研究者が当該臨床研究に関わる企業および団体等から経済的な利益(謝金、研究費、株式、医薬品・医療機器、検査・解析サービス等)の提供を受け、その利益の存在により臨床研究の結果に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。

 

11.研究成果の公表

 この研究で得られた研究成果を学会や医学雑誌等において発表します。この場合でも個人を特定できる情報は一切利用しません。 

 

12.参加拒否したい場合の連絡先

 ご家族がこの研究の対象になることを望まない(ご家族のデータを使ってほしくない)方は下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。しかしながら、データ解析後、もしくは学会等で発表後は途中辞退することができない場合もあります。

 

13.疑問、質問あるいは苦情があった場合の連絡先

 この研究に関して疑問、質問あるいは苦情があった場合は下記連絡先へ連絡をお願いいたします。

 

 

宮崎市郡医師会病院 緩和ケア

氏名 内藤 明美

電話:0985-77-9101

FAX0985-77-9121

 

医師会病院HP https://www.cure.or.jp/